死後、誰にも気づかれずに季節にもよりますが数週間経過しますと腐敗がかなり進み、賃貸で借りている場合は原状回復しなければなりません。

その費用は一体誰が負担するのかでトラブルも発生するようです。

本来は賃貸契約をした際の連帯保証人ですが、場合によっては法廷相続人が負担しなければなりません。

腐敗の程度にもよりますが、３０万円以上掛かる場合もあります。

実際に現場ではどのような作業を行うのでしょうか。

一人暮らしの方が孤独死、病死、事故死などで亡くなられたお部屋を原状回復する為、一般的な清掃とは全く異なる非常に専門性の高い清掃のことをいいます。

一人暮らしで亡くなられた場合、発見が遅れてしまうことが多く、ご遺体は腐敗し、腐乱臭や不衛生害虫が発生している場合が多くあり、素人の清掃や通常のハウスクリーニングでは対応できない為、専用の洗浄剤や消毒剤、消臭剤を使う事はもちろん、それらを適切に扱う専門知識が必要となります。特掃、事件現場清掃、原状回復作業などとも呼ばれています。

１：殺虫

ご遺体に発生したものや腐敗臭に誘因されたものなど、様々な不衛生害虫の駆除を行います。

見えにくい部分にも産卵している可能性があるので徹底的に処理をします。

作業の際は、害虫が部屋から逃げ出したりしないよう注意します。

 

２：腐敗臭の元を除去、撤去

布団や床、壁などに付着した汚れを除去します。

洗浄では除去できない汚れの場合、布団やカーペットなどは撤去していきます。

また、床下まで汚れが浸透してしまっている場合が、畳やフローリングなどの張り替えも行います。

 

３：消臭

ご遺体の発見が遅れた場合、辺りは腐敗臭が立ち込めています。

汚れではないのでしばらく換気をしたらどうにかなるというものではありません。

腐敗臭は壁や床、天井、家具など室内にあるもの全てのものに染み付いてしまう為、それらを消臭処理します。

 

４：除菌

特殊清掃が必要な室内には、細菌やウィルスなど目には見えないものが空気中に蔓延している場合があります。

感染症などの原因となる為、周囲へ広めないように空気や家具類をくまなく除菌します。

 

５：清掃

特殊清掃の大部分が終わったら、普通の清掃作業を行います。

部屋の隅や、家具の隙間などに積もった塵や埃にも腐敗臭は染み付いています。

見逃しの内容に清掃します。

 

６：消臭確認

特殊清掃が必要なお部屋は、腐敗臭などの異臭や細菌類が立ち込めている為、作業をする人は感染症などから防衛する目的で、防護服やマスク、ゴーグルなどを装着している場合が多いです。

汚れは目で見て判断できますが、臭いは作業着で遮断されている為、作業中は臭いを確認しながら行う事はあまりありません。

その為、作業がある程度完了した段階でマスクを取り、消臭確認をします。

まだ臭いが残っている場合は再度、消臭作業をし、完全に臭いが消えるまで作業を繰り返します。

消臭作業で臭いが取れない場合は、撤去作業も併せて行います。

 

７：遺品整理

遺品整理を併せて行うケースもあります。

その場合、遺品として保管するものの除菌・消臭処理を忘れないようにします。

処分するものを搬出する際は、近隣の方への影響（臭い、汚れなど）に配慮し、慎重に行います。

 

８：リフォーム

特殊清掃にもできる事には限界があります。

汚れや臭いが取れない場合は、部屋全体や一部をリフォームする事で現業回復をしていきます。

 

特殊清掃の作業開始が早ければ早いほど、汚れの侵食や害虫の繁殖などの被害を最小に止めることができます。

前述の作業内容を個人でやろうと思うと、清掃方法の勉強や清掃用具の準備などでかなりの時間がかかり、被害を拡大してしまう可能性があります。

その為、迅速に作業を始める事が重要となります。

特殊清掃も遺品整理と同様に、個人でも作業は可能ですが、すぐに作業可能な業者を利用する方が安全で適切でしょう。